縦横16mmキーピッチのRow-Staggerdキーボード(横方向にズレたキーボード)の作例です。
te96 パーツリストをご覧ください。
te96基板は2枚使用します。
使用する道具、消耗品におすすめの道具類、注意事項等をまとめましたのでご覧ください。
Pro Microにエポキシ接着剤を盛って、簡単にはもげないようにします。
参考1:ProMicroのモゲ防止ついでにQMK_Firmwareを書き込む - Qiita 参考2:もげ予防 - Self-Made Keyboards in Japan
エポキシ接着剤の2液を混ぜます。
接着剤を付け始める前にMicro USBコネクタを横から見てください。側面に穴が開いています。この穴に接着剤が入ると端子が入らなくなったり、入りにくくなったりします。
この穴を避けて、つまようじなどで接着剤を盛っていきます。
乾くまで置いておきます。
下の図のように、ニッパーで切っていきます。ニッパーで表裏に切れ目を入れてから手で折り割ってください。
Pro Micro部は左右のどちらを残しても動きます。分割キーボードでPro Micro部を左右対称にしたい場合は注意してください。
下の写真は左手側をカットしたところです。
机に紙ヤスリを置き、その上で基板のバリがある側面をヤスリがけします。粗目だけでも結構きれいになります。お好みで細目までかけてもよいです。
はんだ付けに慣れている方は次の項に進んでください。
全くはんだ付けをしたことがなかったり、数年ぶりにはんだ付けをする場合は、以下の動画が参考になります。
基板をビスケットで結合します。ビスケットは3種類あります。下の写真の左から
-
0.5uずらして接続する用
-
0.25uずらして接続する用
-
ずらさずに接続する用
です。
縦に連なっている穴は下から
- 16mmキーピッチ用
- 17mmキーピッチ用
- 18mmキーピッチ用
- 19mmキーピッチ用(ずらさずに接続する用のみ)
です。
この作例では、各行は0.25uずつずらして接続し、縦方向のキーピッチは16mmなので、真ん中のビスケットの青枠の穴を使って接続します。
ビスケットで接続する前に、基板を表側にして完成形に並べてからマスキングテープで留めておくことを推奨します。これをせずに進めて、表に向けたときに想定したずらし方と逆になっていたことがありました。
基板を裏返してビスケットで接続していきます。ビスケットの数が足りなくなるので、下の写真の青枠のように、各行の両端部のみビスケットを使います。
基板のROW
と書かれている穴にビスケットを重ねて、ビンヘッダを差し込みます。
ビスケットからはみ出しているピンヘッダをニッパーでカットして、穴の上からハンダを流し込みます。
下の写真の青枠のように、ビスケットで接続していない部分のROW
とROW
をハンダめっき線またはダイオードの切れ端などで配線し、ハンダ付けします。
基板裏側にキースイッチの数だけダイオードを取り付けます。
キースイッチの枠が描いてあるほうが基板の表で、ダイオードの印が描いてあるほうが裏です。
まず片方のパッド上にはんだを溶かして盛ります。
ダイオードをピンセットでつまみ、基板のシルク印刷の二重線と、表面実装ダイオードの二重線の向きを合わせて、パッドに置きます。
先程パッドに盛ったはんだを溶かしてダイオードの片側をはんだ付けします。
うまくいかない場合は以下の動画をご覧ください。
表面実装ダイオードのはんだ付けをしていない側をはんだ付けします。
基板表側のPro Micro設置部分のジグザグスルーホールに、Pro Microに付属している12ピンのピンヘッダの短い側を根本まで差し込みます。
スルーホールがジグザグになっているので、少し入れにくくなっています。ゆっくり押し込んでください。
ピンヘッダにPro Microを差し込みます。Pro Microの裏面(平らなほう)が上になるように、またマイクロUSBが基板端になるようにします。
向きを間違えるとリカバリーが大変です。表裏、左右をよく確認してください。
ニッパーでピンヘッダの足のはみ出している部分を切ってから、Pro Microとピンヘッダをハンダ付けします。まず四隅をハンダ付けし、横から見てピンヘッダとの間に隙間があれば押さえながらハンダを温めて浮かないようにします。そのあと、順番に全てハンダ付けします。
基板とピンヘッダはジグザグのスルーホールで接触しているため、ハンダ付けはしなくても経験的には大丈夫ですが、接触不良が気になる場合ははんだ付けしてください。
基板とピンヘッダをはんだ付けしない | 基板とピンヘッダをはんだ付けする | |
---|---|---|
メリット | はんだ付け箇所が減る Pro MicroのMicro USBがモゲたときに交換できる |
キーが反応しないとき、接触不良をまず疑うべき箇所が減らせる |
デメリット | 接触不良により行単位、列単位でキーが反応しない場合がある | はんだ付け箇所が増える Pro MicroのMicro USBがモゲたときに交換が難しい |
基板表側のPro Micro設置部分のジグザグではないスルーホール(一番外側の穴を除く)に、別途調達したコンスルーピンヘッダを根本まで差し込みます。
その際、
- コンスルーピンヘッダの金色の窓が遠い側を基板側とし、金色の窓が近い側をProMicro側とする
- 金色の窓の向きを揃える
ようにしてください。
参考: Helixベータ ビルドガイド
ピンヘッダにPro Microを差し込みます。Pro Microの裏面(平らなほう)が上になるように、またマイクロUSBが基板端になるようにします。
向きを間違えるとリカバリーが大変です。表裏、左右をよく確認してください。
Pro Microとコンスルーピンヘッダをハンダ付けします。まず四隅をハンダ付けし、横から見てコンスルーピンヘッダとの間に隙間があれば押さえながらハンダを温めて浮かないようにします。そのあと、順番に全てハンダ付けします。
基板とコンスルーピンヘッダは接触しているため、ハンダ付けしません。
表側から差し込みます。まず裏側の一箇所をハンダ付けし、コネクタが基板から浮いていないか確認します。もし浮いていれば、コネクタを押さえながらハンダを温めて溶かし直してください。
表側から差し込みます。トッププレート無しでもキースイッチのガタつきがないよう、穴のサイズを小さめにしてあります。キースイッチの足が曲がっている場合はまっすぐにしてから差し込んでください。
裏返してハンダ付けします。
切り離した基板のCOL
をPro Microと接続します。
1行目はPro Microと接続したままなので配線不要です。
2行目のCOL
のどれか(青丸のどれか)と、Pro Micro中央のB
と書いてあるスルーホール(青四角)を被覆銅線またはポリウレタン銅線で繋ぎます。
Pro Micro側の配線をする際、配線をスルーホールに押し込むとPro Microとショートする可能性があるので注意してください。
3行目のCOL
のどれか(黄緑色の丸のどれか)と、Pro Micro中央のC
と書いてあるスルーホール(黄緑色の四角)を被覆銅線またはポリウレタン銅線で繋ぎます。
4行目のCOL
のどれか(オレンジ色の丸のどれか)と、Pro Micro中央のD
と書いてあるスルーホール(オレンジ色の四角)を被覆銅線またはポリウレタン銅線で繋ぎます。
キースイッチにキーキャップをはめます。
ゴム足を裏面に取り付けます。ソケットやキースイッチに接触する場合はハサミで切ってから取り付けます。
試打してみて、基板のたわみが気になればゴム足を増やしてください。
以下のリンク先を参考にして、QMK Firmwareのビルド環境を用意します。
- Windows
- macOS
- Linux
構築中、
qmk setup
と入力する代わりに
qmk setup e3w2q/qmk_firmware --branch e3w2q
と入力してください。
または、qmk setup
した後に、C:\Users\USER_NAME\qmk_firmware\keyboards
配下にhttps://github.com/e3w2q/qmk_firmware/tree/e3w2q/keyboards/e3w2q以下をコピーしてもよいです。
用意されたキーマップを書き込むには以下を実行します。
qmk flash -kb e3w2q/te96/rev1_transpose -km natto48
Detecting USB port, reset your controller now...
と表示されたらPro MicroのGND
とRST
をピンセットやクリップなどで短絡させると書き込みが始まります。
QMK Configuratorのテストモードでキー入力が行えるかテストしてください。
- 特定のキーが反応しない
- キースイッチのハンダ付けが甘い場合があります。キースイッチを押すかわりに、キースイッチの裏面のハンダ2箇所をピンセットでショートさせてみて、入力されるか確認してください。入力される場合は、ハンダ付けし直してください。
- 行、列単位でキーが反応しない
- Pro Microの足と基板のZigzag穴とがうまく導通していない可能性があります。該当する行または列のPro Microの足を基板のスルーホールの壁に押し付けた状態でキー入力ができるか試してください。この状態でキー入力ができる場合は、きちんと導通するようにPro Microの足が基板の穴の壁に接するようにちょっと曲げてから差し込んでみてください。はんだ付けしてしまうのもよいです。